稲佐の浜から神々の社が並ぶ細い道を抜け、大通りに出ました。
この道は、阿国の道と言われています。
出雲 阿国(いずもの おくに)は、出雲大社の巫女出身の女性芸能者です。
安土桃山時代に阿国が創始した「ややこ踊り」が様々な変遷を得て、現在の歌舞伎になったと言われています。
ややこ踊りは、元々は可愛らしい幼子のような踊りでしたが、徐々に阿国が男装して茶屋の娘と戯れるというセクシーな女歌舞伎に変わっていきました。
風紀が乱れることを懸念した幕府は、女性が舞台に立つことを禁じ、男性が演じる「野郎歌舞伎」が演じられるようになります。これが、現代の歌舞伎の原型となりました。
阿国の道に出てすぐのところに阿国終焉の地があります。
出雲大社の修繕費用など寄付してもらうことを目的に、全国を巡業していた阿国ですが、晩年は故郷に戻り、ここで生涯を閉じたそうです。
小高い丘の石段を上ると・・・
阿国の塔があります。
歌舞伎の元祖だけあって、名だたる歌舞伎役者の名前が並んでいます。
ここからは弁天島を一望できます。
少し離れたところに、阿国の墓があります。
普通の墓地の中に阿国の墓が建っています。
阿国の墓は、芸能を志す人にとって、大切な聖地になっているそうです。